1.

論文

論文
川久保, 悦子 ; 内田, 陽子 ; 小泉, 美佐子
出版情報: The Kitakanto medical journal = 北関東医学.  61  pp.499-508,  2011-11-01.  北関東医学会
概要: Journal Article<br />[目 的]認知症高齢者に対して「絵画療法プラン」を作成,実践し,(1)絵画療法が認知症高齢者にもたら\nす効果,(2)認知症高齢者の作品の特徴,(3)肯定的反応および否定的反応を示した絵画療法の画題 ,(4)絵画\n療法を効果的に進めるための介入方法を明らかにした.[対象・方法]対象者は,認知症をもつ年齢65歳以\n上の高齢者で,認知症グループホームHを利用し,調査協力を得た5名である.3か月間に,週1回,60分程度\nの「絵画療法プラン」を計12回介入した.評価は内田1の認知症ケアのアウトカム評価票,BEHAVE-ADを\n使用し,各回の絵画作品の評価も行った.また対象者の反応をカテゴリー分類した.[結 果]対象者5名\nすべて女性であり,年齢は86±5.9歳(平均±SD),全員がアルツハイマー病であった.(1)絵画療法が認知症\n高齢者にもたらす効果は「周辺症状」,「介護ストレス・疲労の様子」,「趣味・生きがいの実現」,「役割発揮の\n有無」の改善と,「制作への自主性」や「他人の作品を褒める」などの肯定的な行動や言動をもたらした.(2)\n作品は色あざやかで抽象度が高く大胆な構図で,単純化などの特徴がみられた.(3)認知症高齢者に肯定的な\n反応であった画題は「色彩が原色で彩度が高く,工程が単純,写実ではなく自由表現をいかした画題」「昔使っ\nていた材料を使った画題」「生活の中で役に立ち,手芸を取り入れた画題」「色や素材を選択できる画題」で\nあった.(4)絵画療法には肯定的な言動の反面「できない」という,相反する感情もあった.[結 語]絵画\n療法は,認知症高齢者の精神活動によい効果をもたらすが,ケア提供者が絵画療法プランを取り入れること\nで,認知症高齢者のいきいきとした反応や言動を発見することができる.介入により新たに発見したことを\nアセスメントし,認知症高齢者ができることを促すようなケアを行うことが求められる.落ち着いた環境を\n整え,画題と介入方法を考慮する必要がある. 続きを見る
2.

論文

論文
内田, 陽子 ; 清水, さゆり ; 杉山, 学 ; 高橋, 陽子 ; 加藤, 綾子
出版情報: The Kitakanto medical journal = 北関東医学.  59  pp.59-66,  2009-02-01.  北関東医学会
概要: application/pdf<br />Journal Article<br />【目的】認知症ケアのアウトカム評価票の項目別にみた重み付け得点と影響する評価者の因子を明らかに\nすることである. 【方法】第1段階の調査ではA県で行われた ケアマネジャー研修とA県看護協会の研\n修に参加した計542人を対象に評価票の大カテゴリーの重み付け得点化を行った. 第2段階の調査では, 脳\n神経疾患を専門に扱う美原記念病院とその関連施設で働く認知症経験をもつ職員22人を対象に, 大・中カテ\nゴリーに対する重み付け得点化を行った. 分析はAHP理論を活用した. 【結果】第1調査では重み付け\n得点に関連する評価者の因子は職種, 所属機関, 経験年数であった. 第2調査では背景条件との関連はみられ\nなかった. 両調査とも「その人らしい生き方」に対する得点は高かった. 【結論】これらの評価者の因子\nの調整を行い, 重み付け得点化を行う必要がある. 続きを見る
3.

論文

論文
内田, 陽子 ; 上山, 真美 ; 小泉, 美佐子
出版情報: The Kitakanto medical journal = 北関東医学.  58  pp.303-309,  2008-08-01.  北関東医学会
概要: application/pdf<br />Journal Article<br />【目的】本研究の目的は, 看護学生の実習前後における認知症高齢者のアウトカム判定とケア実施率の関\n係を明らかにすることとした. 【対象と方法】対象は, A 大学3年生で調査協力の得られた38人の看護学\n生とその受け持ちの認知症高齢者38人である. 方法は, 学生に実習前後での受け持ち認知症高齢者の状況に\nついて「認知症ケアのアウトカム評価票」に記入してもらった. 【結果】アウトカム評価26項目の信頼性\n係数クロンバックα係数は, 1回目は0.85で2回目は0.83であった. アウトカム変化率で最高値維持が高\nかったアウトカム項目は, 「周辺症状(行動障害)」で, 改善は「コミュニケーション」, 「過去の趣味・生きが\nいの現実」, 維持は「着替え」, 悪化は「なじみの暮らし継続」, 最低値維持は「役割と発揮の有無」であった. \nケア実施率では,『目をみて話す』が高かった. 【結語】実習においては認知症高齢者の「コミュニケー\nション」等の改善が期待でき, 環境整備のケアは症状の改善をもたらす. 続きを見る
4.

論文

論文
内田, 陽子
出版情報: The Kitakanto medical journal = 北関東医学.  58  pp.9-16,  2008-02-01.  北関東医学会
概要: application/pdf<br />Journal Article<br />本研究の目的は, 認知症ケアのアウトカム評価票原案の使用可能性を検討し, 案の改良を行うこととした.\n対象は看護学生及び看護師であり, 認知症ケアを実施し た者で調査に協力を得られた67人とした. 方法は過\n去に受け持ったことのある認知症者の状況を振り返り, 認知症ケアのアウトカム票原案に沿って該当する番\n号を記入してもらった. 結果, 原案27項目の信頼性係数クロンバックα係数は0.889 であった. また, 1回目\nと2回目のアウトカム数値調査で項目得点間の相関係数は0.662~0.969 であった. 対象者からは原案につい\nて使用できるという高い回答を得た. また, アウトカム変化率を算出した結果, 最高値持続が高かったアウト\nカム項目は「挨拶」であり, 改善は「楽しいことに対する表現・笑顔」, 「外見の保持」であり, 維持は「入浴」, \n悪化は「なじみの暮らしの継続」, 最低値持続は「役割の有無と発揮」, 「金銭管理」が高い変化率であった. 無\n回答が多かった項目は, 「サービスへの満足度」, 「介護継続の意思」であり改良を行った. 続きを見る
5.

論文

論文
内田, 陽子
出版情報: The Kitakanto medical journal = 北関東医学.  57  pp.231-238,  2007-08-01.  北関東医学会
概要: application/pdf<br />Journal Article<br />【目的】認知症ケアのアウトカム項目を明らかにし, アウトカム評価票原案を開発することを目的とした.\n【方法】文献検討, 質問紙調査, 専門家による検討によ り進められた. 【結果】既存の文献では認知症症\n状, 生活行動, 幸福感, QOL, 介護負担の領域にアウトカムがまとめられた. 認知症ケア経験者対象239 人から\nは, 精神的安定, 生活行動, 認知症症状, 在宅療養継続などのアウトカムが明確になった. また, 在宅で認知症\nケア経験者25人からは「笑顔, 不安なく安心して暮らせる, 楽しく喜ぶ」に重要度が高かった. 【結語】専\n門家の検討により, 最終的に以下の特徴をもった認知症ケアのアウトカム評価票を作成できた. ①アウトカ\nムの主項目は「認知症症状・精神的安定」, 「生活・セルフケア行動」, 「その人らしい生活」, 「介護者の負担」\nで構成された. ② 2時点の状態をアセスメントし, 該当する番号を書き, 両者を比較して最高値持続, 改善, 維\n持, 悪化, 最低値持続と判定する. ③アウトカムを高めるためのケア項目を設定した. 続きを見る