1.

論文

論文
常盤, 洋子
出版情報: 群馬保健学紀要.  22  pp.29-39,  2002-03.  群馬大学医学部保健学科
概要: application/pdf<br />Departmental Bulletin Paper<br />本研究の目的は, 出産体験の自己評価に影響を及ぼす要因を検討し, 産む人にとって出産が価値ある体験となるような援助を工夫するための資 料を提供することである。本研究では, 関東地域9カ所の総合病院の産科病棟と3カ所の産院で出産した産褥1~7日目の褥婦932名を対象に質問紙調査が行われた。調査期間は, 平成12年4月~9月。調査内容は, 出産体験の自己評価尺度の短縮版(18項目, 5件法), 出産時の不安尺度(6項目, 5件法), 出産時の夫の対応に対する満足度(O-100点), 分娩現象に影響を及ぼす産科学的要因と心理的要因である。その結果は以下の通りであった。(1)出産体験の自己評価は初産婦より経産婦の方が高いことが明らかにされた。そこで, 影響要因の検討は初産婦経産婦別に行われた。(2)出産体験に影響を及ぼす産科学的要因として, 初産婦では分娩経過, 分娩時間, 分娩様式の3要因が示され, 経産婦では, 出産年齢, 分娩様式, 在胎期間の3要因が確認された。(3)出産体験に影響を及ぼす心理的要因として, 初産婦・経産婦ともに, 出産時の不安と夫の対応に対する妻の満足度が示された。(4)産科学的・心理的要因を独立変数とし出産体験の自己評価の得点を従属変数とした重回帰分析の結果, 初産婦は分娩様式, 分娩時間, 出産時の不安の3つの要因, 経産婦は出産時の不安, 分娩様式, 夫の対応に対する妻の満足度が出産体験の評価に影響を及ぼすことが明らかにされた。 続きを見る
2.

論文

論文
常盤, 洋子 ; 杉原, 一昭
出版情報: 群馬保健学紀要.  20  pp.81-88,  2000-03.  群馬大学医学部保健学科
概要: application/pdf<br />Departmental Bulletin Paper<br />本研究の目的は,出産体験の自己評価と母親が抱いている理想とするお産のイメージの内容を把握し,出産体験の自己評価と母親意識の発達との関 係を検討することである。本研究では,出産体験についての文章完成法(以下,出産体験SCT)と理想とするお産のイメージテストを使って産後2ヶ月日の68名の母親の反応の内容分析(KJ法)を行った。その結果は,以下のとおりであった。(1)出産時の不安は,漠然とした不安,子どもの健康,分娩経過,痛みについて,前回の経験,はじめての経験,孤独への不安があげられた。(2)出産体験による成長体験として,自己成長,母になった,自分のすごさなど母親意識の発達につながるようなカテゴリーがあげられた。(3)「よいお産とは,」のイメージでは「母子の健康」に分類される回答が最も多く認められ,「安産とは,」のイメージでは「楽なお産」に分類される回答が多かった。「よいお産」のイメージは安全性,身体的産みやすさ,安心,実母への同一性,出産体験に対する満足感の5つの内容に整理された。「安産とは」のイメージは,安全で,苦痛が少ない,自然なお産を意味していた。(4)出産体験SCTと理想とするお産のイメージテストの内容分析から,出産体験の自己評価の内容と母親意識の発達との関係図が作成された。(5)関連図の解釈から出産体験自己評価と母親意識の発達との関係について5つの仮説を導き出した 続きを見る