1.

論文

論文
森島, 知子 ; 國清, 恭子 ; 堀込, 和代 ; 平川, 君恵 ; 常盤, 洋子
出版情報: The Kitakanto medical journal = 北関東医学.  61  pp.15-23,  2011-02-01.  北関東医学会
概要: application/pdf<br />Journal Article<br />【背景と目的】早期産で低出生体重児を出産した母親の出産体験に関する研究は少ない. 本研究の目的は, \n早期産で低出生体重児を出産した母親の出産休験の内容を 明らかにし, 出産体験の意味づけへの支援を考え\nる手がかりを得ることである.【対象と方法】対象は研究実施施設で低出生体重児を出産し, 出産から1カ月検診までの間に研究参加の同意が得られた母親9名とした. データは半構成的面接法により収集した. 分析方法はベレルソンの内容分析を参考に行った.【結果】対象となった9名の出産様式は帝王切開での出産が5名, 経膣出産が4名であった. 早期産で低出生体重児を出産した母親の出産体験の内容として,【出生後の子どもの生存を憂慮した体験】,【早期産となることに恐怖を感じて出産した体験】,【危機的な状況での夫の対応に満足・不満足感を感じて出産した体験】,【医療スタッフの対応に満足・不満足感を感じて出産した体験】,【出産に伴う身体の苦痛を感じて出産した体験】,【切迫早産に伴う心身の苦痛を感じて出産した体験】の6つのコアカテゴリーが抽出された. また,【出生後の子どもの生存を憂慮した体験】,【早期産となる\nことに恐怖を感じて出産した体験】, で全記録単位数の80%を占め, この2つのコアカテゴリーが早期産で低\n出生体重児を出産した母親の出産体験の特徴を示した.【結語】本研究で抽出された出産体験の内容から, 子どもの生存を憂慮し自尊心の傷つきをもつ早期産で低出生体重児を出産した母親には, 産褥早期に妊娠中の経過からの振り返り, その時々の体験を母親がどの様に受けとめているか確認し, 意味づけを支援することが必要であると示唆された. 続きを見る
2.

論文

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常盤, 洋子
出版情報: 群馬保健学紀要.  22  pp.29-39,  2002-03.  群馬大学医学部保健学科
概要: application/pdf<br />Departmental Bulletin Paper<br />本研究の目的は, 出産体験の自己評価に影響を及ぼす要因を検討し, 産む人にとって出産が価値ある体験となるような援助を工夫するための資 料を提供することである。本研究では, 関東地域9カ所の総合病院の産科病棟と3カ所の産院で出産した産褥1~7日目の褥婦932名を対象に質問紙調査が行われた。調査期間は, 平成12年4月~9月。調査内容は, 出産体験の自己評価尺度の短縮版(18項目, 5件法), 出産時の不安尺度(6項目, 5件法), 出産時の夫の対応に対する満足度(O-100点), 分娩現象に影響を及ぼす産科学的要因と心理的要因である。その結果は以下の通りであった。(1)出産体験の自己評価は初産婦より経産婦の方が高いことが明らかにされた。そこで, 影響要因の検討は初産婦経産婦別に行われた。(2)出産体験に影響を及ぼす産科学的要因として, 初産婦では分娩経過, 分娩時間, 分娩様式の3要因が示され, 経産婦では, 出産年齢, 分娩様式, 在胎期間の3要因が確認された。(3)出産体験に影響を及ぼす心理的要因として, 初産婦・経産婦ともに, 出産時の不安と夫の対応に対する妻の満足度が示された。(4)産科学的・心理的要因を独立変数とし出産体験の自己評価の得点を従属変数とした重回帰分析の結果, 初産婦は分娩様式, 分娩時間, 出産時の不安の3つの要因, 経産婦は出産時の不安, 分娩様式, 夫の対応に対する妻の満足度が出産体験の評価に影響を及ぼすことが明らかにされた。 続きを見る