1.

論文

論文
浜名, 康栄 ; 坂本, 梓 ; 高塚, 堅至 ; 木暮, 美江 ; 田中, なぎさ ; 細谷, 隆一
出版情報: 群馬保健学紀要.  28  pp.79-88,  2008-03.  群馬大学医学部保健学科
概要: application/pdf<br />Departmental Bulletin Paper<br />真核生物ではポリアミン類のスペルミジンやスペルミンが細胞核内のクロマチンDNA\n構造を安定化し,原核生物ではスペルミジンが核様体D NA の高次構造維持に働いている。単\n細胞真核生物のEuglena gracilis とTetrahymena pyriformis に対する増殖阻害効果をDNA\n切断薬剤ブレオマイシンと細胞膜阻害薬剤環状ペプチド類(コリスチン,バシトラシン,ポリ\nミキシンB)と比較した。Euglena gracilis に対してはブレオマイシンが他薬剤の1/10-\n1/1000の低濃度の2.5x10-6 Mで増殖を50%阻害した。Tetrahymena pyriformis に対しては他\n薬剤と同程度の5.0x10-4 Mで増殖を50%阻害した。ブレオマイシンあるいは環状ペプチドによ\nり50%増殖阻害を受けた細胞と対照の正常増殖細胞より酸抽出したポリアミン画分のHPLC 分\n析を行った。両生物種において,環状ペプチドで増殖阻害された細胞ではスペルミジンやスペ\nルミンの含量が低下していたが,ブレオマイシンで増殖阻害された細胞では両ポリアミンの含\n量が増大していた。ブレオマイシンの細胞内DNA への結合によるDNA 切断は細胞内のスペ\nルミジンやスペルミンの濃度上昇によって競合的に防御されるものと考えられる。原核生物\nEscherichia coliとBacillus subtilis に対する増殖阻害濃度をブレオマイシンとキノン系DNA\n切断薬剤(マイトマイシンC,ダウノマイシン,ミトザントロン)と比較した。DNA 切断活\n性が高いブレオマイシンとマイトマイシンCが低濃度(1.8x10-7-1.1x10-5 M)で両細菌の増殖\nを阻害した。4薬剤による50%阻害菌体と対照の正常増殖菌体より酸抽出したポリアミン画分\nのHPLC 分析を行った。ブレオマイシン阻害菌では菌体内スペルミジン濃度が相対的に増大\nしている結果であった。阻害菌体内のスペルミジン濃度レベルは4薬剤のDNA 結合親和性,\nDNA 切断活性,増殖阻害濃度と相関性があった。 続きを見る
2.

論文

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浜名, 康栄 ; 横山, 洋子 ; 立柳, 聡美 ; 寺内, 恵理 ; 相崎, 知美 ; 新井, 絵梨 ; 斎藤, 彩 ; 内方, 薫 ; 大西, 肇 ; 佐藤, 和佳子 ; 郷間, 加奈子 ; Jia, Yu ; 井野, 由莉恵 ; 梅村, 悠紀子 ; 望月, 千晴 ; 細谷, 隆一
出版情報: 群馬保健学紀要.  28  pp.89-105,  2008-03.  群馬大学医学部保健学科
概要: application/pdf<br />Departmental Bulletin Paper<br />各々異なるポリアミン合成系を持つ細菌4菌種が,作用機構が異なる7系統の化学構造\nを有する抗生物質によって増殖阻害を受けた場合の,菌 体内ポリアミン構成やポリアミン含量\nの変動を調べた。数種の培地にて,正常増殖した対照菌体と50%増殖阻害を受けた菌体とから\n過塩素酸抽出したポリアミン画分のHPLC 分析を比較した。大腸菌はプトレスシン,カダベ\nリン,アグマチン,スペルミジン,アセチルスペルミジンを,緑膿菌はプトレスシン,カダベ\nリン,スペルミジンを,枯草菌はプトレスシン,スペルミジンとアグマチンを合成。腸球菌は\nポリアミンを合成せず,培地中よりスペルミジンを取り込む。グリコペプチド系のバンコマイ\nシンでは,枯草菌と腸球菌のスペルミジンやアグマチン含量への影響は認められなかった。阻\n害効果の低い大腸菌に対してもポリアミンレベルに影響しなかった。β-ラクタム系のペニシ\nリン系(ベンジルペニシリン,ピペラシリン)とセファマイシン系(フロモキセフ)では,大\n腸菌のプトレスシン,カダベリン,アセチルスペルミジンの低下を認めた。枯草菌や腸球菌で\nはスペルミジンレベルの低下を認めた。アミノ配糖体系のストレプトマイシン,カナマイシン,\nアミカシンにより,大腸菌ではスペルミジンのアセチル化が抑制され,緑膿菌ではカダベリン\n合成が阻害された。感受性菌と耐性菌の比較分析においても同様であった。エリスロマイシン\n(マクロライド系),テトラサイクリン,クロラムフェニコールでは,共通して大腸菌のアセチ\nルスペルミジンの低下と枯草菌と腸球菌のスペルミジンの低下を認めた。オフロキサシン,ノ\nルフロキサシン(ピリドカルボン酸系ニューキノロン)では大腸菌のアセチルスペルミジン,\nプトレスシン,カダベリンの低下,枯草菌でのスペルミジンの低下があるが,腸球菌のスペル\nミジン含量に影響しなかった。大腸菌でのスペルミジンのアセチル化はアミノ配糖体系,マク\nロライド系,テトラサイクリン,クロラムフェニコール,ピリドカルボン酸系により抑制され\nていた。β-ラクタム系ではポリアミンレベル全体が低下していた。枯草菌でのスペルミジン\n合成はグリコペプチド系以外で低下した。腸球菌でのスペルミジンの取り込みは7系統の抗生\n物質の影響を受けなかった。 続きを見る
3.

論文

論文
細谷, 隆一 ; 浜名, 康栄 ; 阿部, 修三
出版情報: 群馬保健学紀要.  22  pp.99-103,  2002-03.  群馬大学医学部保健学科
概要: application/pdf<br />Departmental Bulletin Paper<br />D型およびL型アミノ酸を蛍光キラル誘導化試薬FLEC((+)1-(9-fluorenyl)ethylchloroformate)と反 応させ, その誘導体をODS-逆相クロマトカラムで分離し, 酢酸緩衝液/アセトニトリル/テトラヒドロフランの3種類の溶離液による直線濃度勾配で溶出させた。50℃でのアミノ酸のFLEC誘導化反応システムと43℃での高速液体クロマトグラフによる高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)-蛍光検出法を自動化した。D型アミノ酸とL型アミノ酸の一斉分析を連続して行うことが可能となった。 続きを見る